取得したのは飲食店営業、缶詰又は瓶詰食品製造業。
いやー何とかここまで漕ぎつけました。見てください、この鮮やかな緑のプレート。
ひとまずこれで、6年間は営業出来る模様です。
結構時間掛かりましたね。条件をそろえるまでほんとに大変でした。
飲食店営業に必要な資格
飲食店営業に必要な資格と言えば?と聞くと、多くの方は、『調理士』って答えるのではないでしょうか。
じつは、調理師免許を持っていないと飲食店を開業できないというのは誤解なんです。飲食店は調理師免許が無くても開業できます。
必要な資格は『食品衛生責任者』という資格だけです。これは講習を一日しっかり受ければ簡単に取得できます。取得については、各都道府県の食品衛生協会のホームページを見れば申請について詳しく知ることが出来ます。ちなみに石川県はこちらから
じゃあ、調理師免許って何なの?
答えは「調理師」を名乗るのに必要な免許です。(調理師免許を持っていないのに調理師を名乗ると法律で罰せられます)
じゃあ調理師を名乗るメリットって何なの?って思いますよね。メリットは以下のとおりでしょうか。
・調理に関する専門知識を一通りマスターしている証明となり、信頼感が得られる。
・飲食店などに調理人として就職したい場合に有利(調理師免許保有を採用条件にしているところも多い)
・調理師免許の取得過程で、調理に関する正しい知識を学べる。
調理人としてキャリアアップしたい方が取得する資格です。
調理士の取得条件
ちなみに取得条件は、以下の2つのうちどちらかが必要です。
・厚生労働大臣が指定した調理師学校を卒業する
・2年以上飲食店での実務経験を経た後に試験を受け合格する
私は、調理師学校も卒業してないし、飲食店でのおよそ半年ほどのバイト経験しかないので、もちろん取得できません。まあ、必要じゃないのでOKです。
飲食店の開業までの道のり
まずは保健所に相談から。
その際に、どういう間取り、設備を置くつもりなのかがわかる、簡単な図面を用意します。わかっていれば施設の寸法もメモしときましょう。
そして保健所へ。担当の方に何の営業許可が欲しいのかを伝え、図面を見せましょう。
私の場合は飲食店営業だったので、図面に寸法、間取り、置く予定の設備を入れた図面を用意しました。
飲食店営業を取得する施設に必要な条件は簡単にすると以下のとおり。
他の営業許可との共通条件
・営業施設は、不潔な場所に位置しない
・施設の周囲は、排水が良く、かつ、清掃しやすい材料で作られ、適当な勾配がある
・食品を取り扱う室は、間仕切りその他適当な方法で住居と一定の区画がしてある
・食品等取扱室は、食品等の取扱品目及び取扱数量に応じた適当な広さを有する
・食品等取扱室の天井は、すき間がなく、清掃しやすい構造であり、なるべく明色
・食品等取扱室の内壁は、床面から少なくとも一メートルまで耐水性材料で作られ、清掃しやすい 構造
・食品等取扱室の床は、耐水性材料で作られ、清掃しやすい構造
・食品等取扱室のうち製造室(調理室を含む。)は、作業に必要な自然光線を十分取り入れる構造又は人工照明で作業面において百ルクス以上の明るさが保たれている
・食品等取扱室(冷蔵室、冷凍室、貯氷室及び発酵室を除く。)は、換気が十分行われる構造で、油蒸気、水蒸気等が発生する場所には、換気フード及び換気扇がある
・食品等取扱室の窓、出入口その他開放する場所には、ねずみ、昆虫等の侵入を防止する設備を、 排水口には、防そ設備がある
・営業施設には、従業員数に応じた清潔な更衣室又は更衣箱を設けてあり、かつ、それには専用の作業衣、履物等が備えてある
・食品等取扱室には、使用に便利な場所に、従業員専用の流水式で消毒液を備えた手洗設備がある
・食品等を洗浄する場合の食品等取扱室には、使用に便利な場所に、食品等の取扱数量に応じた適当な数の流水式洗浄設備がある
・食品等取扱設備は、次に定めるところによること。イ 食品等取扱室には、食品等の取扱品目及び取扱数量に応じた機械、器具類を備え付けてあること。 ロ 原料、製品等を冷蔵又は冷凍保存する必要がある場合は、これらを保存することのできる設備を 設けてあること。 ハ 調理台及び作業台は、ステンレス製又は合成樹脂製であること。ただし、作業台については、作業の内容により、これにより難い場合は、この限りでない。 ニ 機械、器具類のうち、固定したもの及び移動し難いものは、作業が便利で、かつ、清掃及び洗浄をしやすい位置に配置されていること。 ホ 機械、器具類の食品に直接接触する部分は、耐水性で洗浄しやすく、加熱その他の方法による殺 菌が可能なものであること。 ヘ 営業施設には、食品等を衛生的に保存することができる戸棚、格納箱その他の食品等の保存設備 を設けてあること。 ト 温度、圧力等の調整装置がある設備には、正確な温度計、圧力計その他の計器を見やすい位置に 備え付けてあること。
・製造過程において熱媒体又は冷媒体を使用する営業施設には、これを正確に計測できる設備を設 けてあること。 三 給水及び汚物処理は、次に定めるところによること。 イ 営業施設には、水道水又は官公立の衛生試験機関若しくは登録検査機関が飲用に適すると認めた 水を豊富に供給できる設備を設けてあること。
石川県HP 食品衛生営業許可申請 共通施設基準より
簡単にと言いましたが、あんまり簡単ではないですね・・・。
しかもこれ以外に、営業許可の種類ごとの条件があります。
一 飲食店営業
イ 営業施設には、原材料置場及び調理室並びに必要に応じ、下処理場及び配膳室を設けてあること。 ただし、調理室については、オープンキッチン形態であって客席と一定の区画をした調理場を設け てある場合及び食品を調理しない場合は、この限りでない。
ロ 食品を摂氏十度以下に保つことのできる冷蔵庫を設けてあること。
ハ 洗浄槽は、二槽以上とすること。ただし、自動洗浄設備のある場合は、この限りでない。
ニ 生食用食品を調理する場合は、専用のまな板及び包丁を備えてあること。
ホ 客に飲食させる場合の営業施設には、使用に便利な場所に客用の流水式手洗設備を設けてあるこ と。
ヘ 客に飲食させる場合の営業施設には、食品等取扱室に衛生上支障がない位置に、客の収容数に応 じた数の便所を設けてあること。便所には、ねずみ、昆虫等の侵入を防止する設備及び消毒液を備 えた流水式手洗設備を設けてあること。ただし、従業員用の便所が客が使用するのに便利な位置に あって、客の収容数及び従業員の数に応じた適当な大きさがある場合は、この限りでない。
ト 仕出し及び弁当を調製する施設においては、放冷設備を設けてあること。 チ 食肉販売施設で自家製ソーセージ及び食肉を調理し、直接客に販売する施設においては、次の(1) から(6)までに掲げる構造、設備を設けてあること。ただし、(1)及び(2)に掲げるものについては、 自家製ソーセージのみを調理する場合は、この限りでない。 (1) 自家製ソーセージ専用の調理室を設けること。 (2) 自家製ソーセージ専用の冷蔵設備を設けること。 (3) 洗浄用給湯設備を設けること。 (4) 添加物の保管設備及び添加物の量を正確に秤量できる計器を備え付けること。 (5) 製品の中心温度を測定できる温度計を備えること。 (6) 各工程で行う自主検査のための検査装置を備えること。
石川県 営業許可業種別施設基準 より
石川県のHPより引用しましたが、他の都道府県でもほぼ同じ様です。念のため、自分の住所地の共通施設基準も参考にするのが間違いないですね。
私が開業までにクリアしないといけなかった条件
- 食品等取扱室は、間仕切りその他適当な方法で住居と一定の区画をしてあること。 →そもそも食品取扱室予定の場所に間仕切りが無かった。飲食店の厨房が外や客室と筒抜けは問題外。
- 食品等取扱室の天井は、すき間がなく、清掃しやすい構造であり、なるべく明色であること。 →当初、上はそのまま屋根裏だった。
- 食品等取扱室(冷蔵室、冷凍室、貯氷室及び発酵室を除く。)は、換気が十分行われる構造であり、 油蒸気、水蒸気等が発生する場所には、換気フード及び換気扇を設けてあること。 →当初、換気設備は無かった。
- 食品等取扱室の窓、出入口その他開放する場所には、ねずみ、昆虫等の侵入を防止する設備を、 排水口には、防そ設備を設けてあること。 →網戸が無かった。
- 営業施設には、従業員数に応じた清潔な更衣室又は更衣箱を設けてあり、かつ、それには専用の 作業衣、履物等を備えてあること。 →更衣室等は勿論無かった。
- 食品等取扱室には、使用に便利な場所に、従業員専用の流水式で消毒液を備えた手洗設備を設け てあること。 →手洗い設備無し。
- 食品等を洗浄する場合の食品等取扱室には、使用に便利な場所に、食品等の取扱数量に応じた適 当な数の流水式洗浄設備を設けてあること。 →古いシンクはあったが、排水管は破損し、水道は止まっていた。
- 原料、製品等を冷蔵又は冷凍保存する必要がある場合は、これらを保存することのできる設備を 設けてあること。 →冷蔵庫、冷凍庫無し。
- 営業施設には、水道水又は官公立の衛生試験機関若しくは登録検査機関が飲用に適すると認めた 水を豊富に供給できる設備を設けてあること。 →水道が止まっていた。
- 営業施設には、食品等取扱室に衛生上支障がない位置に、従業員数に応じた数の便所を設けてあ ること。便所には、ねずみ、昆虫等の侵入を防止する設備及び消毒液を備えた流水式手洗設備を設 けてあること。 →当初トイレ、網戸、手洗い無し。
- 営業施設には、製造、調理又は加工の過程において廃水、廃棄物、有害ガス、悪臭等が生ずる場 合は、必要に応じ、これらを適切に処理する設備を設けてあること。ただし、廃水については、排 水管が終末処理場のある下水道に接続している場合は、この限りでないこと。 →排水処理施設無し。
- 客に飲食させる場合の営業施設には、使用に便利な場所に客用の流水式手洗設備を設けてあること。→客用の手洗い無し。
- 客に飲食させる場合の営業施設には、食品等取扱室に衛生上支障がない位置に、客の収容数に応じた数の便所を設けてあること。→トイレ無し。
- 便所には、ねずみ、昆虫等の侵入を防止する設備及び消毒液を備 えた流水式手洗設備を設けてあること。ただし、従業員用の便所が客が使用するのに便利な位置に あって、客の収容数及び従業員の数に応じた適当な大きさがある場合は、この限りでない。 → 昆虫等の侵入を防止する設備及び消毒液を備えた流水式手洗設備無し
今思えば、クリアしないといけない条件が山積みでした。解決するの大変やったなー。
開業に必要だった作業
- 厨房の間仕切り作成
- 厨房に天井作成
- 換気用レンジフード取り付け
- 厨房、トイレの窓に網戸取り付け
- 更衣箱作成
- 食品取扱室前に流水手洗い取り付け
- シンクまで水道管取り付け(業者に依頼)
- トイレ取り付け(業者に依頼)従業員と兼用で洋式便器1つ設置
- 下水に接続(業者に依頼)
- トイレの間仕切り作成
- トイレ前に手洗い作成
ホントに大変でした!楽しかったけどね。
とにかく営業許可は下りたので、あとは消防の確認です。
次は消防署へ行って来ます!